島内の交通
粟島には鉄道はもちろん、定期バス(※社会実験として平成29年度も「コミニュティバス」を運行)もタクシーもありません。島民以外は車を持ち込むこともできませんので、移動手段は徒歩、あるいは自転車(村役場に貸自転車あり、受付は観光案内所)、あるいは民宿の車に乗せてもらうことになります。
国道はなく、内浦地区と釜谷地区を結ぶ「県道321号線」以外は村道と林道になります。もっとも畦道以外、ほとんどの道路は舗装されているので、歩きにくいことはありません。
交通量が少ないので、信号は1ヶ所。学校の前に手押し信号があるだけです。(教育目的に設置されたのでしょう。休日に赤になっているのを見たことはありません。)
※粟島地区コミニュティバス(社会実験)は「県道ルート」は、「粟島浦村役場」「粟島汽船乗り場」「粟島郵便局」「資料館・内浦海水浴場」「粟島浦小中学校」「釜谷キャンプ場・海水浴場」「釜谷公園」「釜谷集落開発センター」の8ヶ所のバス停で乗降可。運賃は大人200円、子供100円。「北回り観光ルート」もあります。
犬も歩けば「本保さん」に当たる?
粟島には20軒以上の民宿がありますが、多くの民宿が「与平」や「三吉」などの人の名前を使っています。食堂や商店の名前も然り。しかし、実際は人の名前ではなく「屋号」。特に客向けというわけではなく、普段の生活でも屋号が使われているようです。
聞いてみたところ、粟島、特に内浦地区には「本保(ほんぼ)」姓が非常に多いとのこと。確かに出ている表札を見ると「本保」さんだらけですし、村長さんも「本保」さん(2017年現在)です。道で「本保さ〜ん」と叫んだら一体何人が振り向くことやら。ちなみに、「犬も歩けば…」と書きましたが、粟島ではあまり犬を見かけません。野良猫は畑辺りで鳥をねらっているようですが……。
食べる
粟島浦村のHPを見ると、内浦地区には1軒のレストランと3件の食堂、1軒のカフェ、1軒の居酒屋、2軒の浜茶屋、1軒の和菓子屋があります。釜谷地区には食堂が1軒。牧平に行って昼時にいちいち内浦に戻るのは時間がもったいないので、全てを利用したわけではないのですが、名物わっぱ煮のほか、定食や麺類、軽食などが食べられます。
民宿の食事はというと、地の海産物がいっぱい。右の写真を例にすると、鯛のお造り、鯛の塩焼き、煮魚2皿、魚のフライとアスパラガスの天麩羅、サザエ、小鉢と小皿にはこごみの胡麻和え(大好物)と伽羅蕗と海藻とラッキョウ。これにご飯とみそ汁がつきます。魚は粟島で獲れたものでとても新鮮。海藻や野菜も粟島産。粟島産でないものは米くらい(田んぼがない)で、味も量も十二分。
こちらは朝食。朝食とはいえ、アジ2匹、タコの刺身、えごねり(海藻えご草を練ったもの)、山菜のおひたし、海藻の酢の物、生卵にのりとボリュームたっぷり。そうそう、大豆もたくさん作っているので味噌も自家製。
とにかく、こんな小さな島でこんなに食材が豊かなのかと感心するほど。食事目当てに粟島を訪れる客もいるというのもわかります。
漁火温泉おと姫の湯
自然以外には特に遊ぶところはない粟島にも、なんと温泉があります。内浦の集落から歩いて役場の前を通り過ぎると、すぐに見えてきます。
一日歩き回って疲れた体を休めるのにいいでしょう。
<泉質> |
ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
(弱アルカリ性高張性低温泉) |
<効能> |
切り傷・やけど・慢性皮膚病・慢性婦人病・虚弱児童 等 |
<利用時間> |
午前10:30~午後7:30 ※季節により変更あり |
<休館日> |
毎週 火曜日 |
釣る
粟島には、たくさんの釣り客が訪れます。粟島は日本海でも有数のタイの釣り場だそうです。もちろん鳥見に勤しむ身としては、磯などは乗っていられないのですが、鳥を見始めるまでは釣りに没頭していたわたしは、秋の渡りを見にいったついでにルアー用の竿を持参してみました。慣れない海で、釣り場も港の岸壁や堤防でしたが、これが結構釣れるのです。アジ、メバル、カマスなどの小物やアオリイカは岸壁で、堤防からはなんとイナダも釣れてしまいました。そんな遊びもできる粟島です。