秋田県 美郷町(みさとちょう・仙北郡)
2004年11月1日に、仙北郡の千畑町六郷町仙南村が合併し、美郷町が誕生した。
美郷町マンホール

撮影地;美郷町六郷/2011.11

これは合併後の美郷町の蓋。町の花「ラベンダー」、鳥「雁」、魚「ハリザッコ(和名:イバラトミヨ)」が描かれている。蓋には描かれていないが、町の木は「アカマツ」。町内には並木にもなっているアカマツが多いとのこと。

千畑には2万株のラベンダー園があり、イバラトミヨは六郷の湧水群に棲息。マガンはどこかに飛来地があるのかと思ったがそうではなく、後三年の役の「雁行の乱れ」に由来するらしい。「雁行の乱れ」は横手市の蓋にあったが、その古戦場の跡というのが横手市と美郷町(旧仙南村)の境界で、近くのJRの後三年駅(役じゃないよ)は美郷町にある。つまりこの蓋のデザインは、合併した2町1村の特色を反映したものだった。

 旧・千畑町(せんはたまち・仙北郡)
美郷町マンホール

撮影:県道11号線の大仙市との境付近/2011.11

中央は、現在の美郷町の木にもなっている「アカマツ」であろう。周囲を町の木「ベニヤマザクラ」の花が囲んでいる。

美郷町マンホール

撮影:美郷町畑屋外館/2018.6

畑屋地区で品種改良され飼育されてきた「畑屋うさぎ」を中央に、周囲に旧町の木「ベニヤマザクラ」を描いた上畑屋地区の農集排の蓋。

 旧・六郷町(ろくごうまち・仙北郡)
美郷町マンホール

撮影:美郷町六郷/2011.11

植田まさし氏の四コマ漫画「コボちゃん」の主人公に似た町のキャラクター「ユウちゃん」。「ユウ」は湧水の町・六郷から考えると「湧」だろうか。町内には名水市場「湧太郎」や手づくり工房「湧子ちゃん」という店もある。この人物についてはコボちゃんの父親筋の親戚であるという説があるそうだが、調べてもはっきりしたことは分からない。

2003年から「地域通貨ユウちゃん」というのが使われているらしいが、その使い方を説明している「ユウちゃん日和」というマンガ風のリーフレット?に登場するのはどう見ても別人。町村合併後は謎の人物のまま消えていくキャラクターなのか。

周囲は町の木「イチョウ」。これははっきりしている。

美郷町マンホール

撮影:藤清水/2018.6

上と同デザインのカラー盤。文字や番号は入っていない。

「ユウちゃん」が左手に持っているものが何だかずっと不明だったが、ようやくその正体がわかった。五穀豊饒、家内安全、無病息災などを願って小正月に行われる「鳥追い」という行事で使われる「木法螺」というもの。桐で作った大きな尺八のようなもので、これを鳴らしながら練り歩いて家々を回ったらしい。

「鳥追い」は、昭和三十年代までは県内各地で行われていたそうだが、今ではすっかり廃れてしまったとのこと。この蓋もただのキャラクターものと思っていたが、地域の伝統を伝える、結構意味のあるものだと思った。(2020年5月に追記)

美郷町マンホール

撮影:藤清水付近/2018.6

上と同デザインの仕様違い。

美郷町マンホール

撮影:美郷町鑓田馬町/2018.6

上と同デザインの小型盤。

 旧・仙南村(せんなんむら・仙北郡)
美郷町マンホール

撮影:おはよう納豆本舗付近の脇道/2011.11

野荒町地区の農集排の蓋。

中学校の美術の課題でありそうな、文字と絵の合体デザイン。「仙」のにんべん部分が村の鳥「雁」、「南」の内部が村の花「花菖蒲」、村のきへんが村の木「イチョウ」になっている。芸が細かい。

ページの先頭へ 路上の美術館トップへ
inserted by FC2 system